- ライバーの教科書 -
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2025.9.5
知識・ノウハウTikTokの年齢制限は、お子様の安全を守るための絶対的なルールです。13歳未満は利用できず、年齢に応じて機能が厳しく制限されます。元トップライバーで現在は事務所代表として多くの若者を指導する私、島袋が、公式サイトの情報に基づき、保護者の方が知るべき全知識と具体的な安全設定を、専門家の視点から分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、以下の3つが明確にわかります。
まず結論からお伝えします。お子様がTikTokを始めるにあたり、保護者の方が最初に把握すべきなのは「どの年齢で、何ができて、何ができないのか」という全体像です。
専門用語が多くて分かりにくいと感じる方も多いでしょうから、私が重要なポイントだけを抜き出して、一枚の早見表にまとめました。まずはこちらをご覧ください。
年齢別 機能制限の早見表
年齢区分 | アカウント登録 | 動画の投稿・視聴 | LIVE配信 | ダイレクトメッセージ(DM) | ギフト機能 | プライバシー設定 |
未満 | 不可 | 視聴のみ可 | 不可 | 不可 | 不可 | – |
13~15歳 | 可能 | 可能 | 視聴のみ可 | 不可 | 不可 | デフォルトで非公開 |
16~17歳 | 可能 | 可能 | 配信も可能 | 可能 | 不可 | 自分で選択可能 |
18~19歳 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 受け取りのみ可 | 自分で選択可能 |
以上 | 可能 | 可能 | 可能 | 可能 | 購入・受け取り可 | 自分で選択可能 |
この表が示す通り、TikTokは単なる「13歳以上ならOK」という単純なものではなく、若年層のユーザーに対して非常に厳しい機能制限を設けています。特に13歳から15歳の間は、トラブルの温床となりやすいダイレクトメッセージ(DM)やLIVE配信ができないよう、厳しく管理されている点を覚えておいてください。
「視聴だけなら、小学生でもいいのでは?」と感じる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、「13歳未満の利用禁止」はTikTokが独自に決めたルールというだけではなく、法的な背景が存在します。
[E-E-A-T: 信頼性]
この年齢制限の根拠となっているのが、米国のCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)です。これは13歳未満の子供からオンラインで個人情報を収集・利用する際に、保護者の同意を義務付ける法律です。TikTokをはじめとする世界の主要なSNSプラットフォームは、この法律に準拠するため、13歳を一つの基準ラインとしています。
引用元: 電子情報技術産業協会「COPPA(児童オンラインプライバシー保護法)の解説」
法律が関わっている以上、これは「バレなければ大丈夫」という類の問題では断じてありません。
【トラウム代表・島袋からの本気のメッセージ】
私の事務所にも「小学生ですがライバーになれますか?」という問い合わせが稀に来ますが、丁重に、しかし断固としてお断りしています。これは単なるルールではなく、まだ善悪の判断能力が十分に発達していない子供たちを、私たち大人が社会全体で守るための最低限の義務だからです。この大原則を知らずに利用を始めてしまうと、全てのスタートを間違えることになります。
先の早見表で全体像を掴んでいただいた上で、ここでは各年齢区分で具体的にどのような制限があるのか、より深く掘り下げて解説します。お子様の年齢に合わせて、特に注意すべきポイントを確認してください。
この年齢層は、TikTokの保護機能を最も強く受けることになります。基本方針は「不特定多数のユーザーとの安易な接触を防ぎ、プライバシーを最大限に保護する」ことです。
13歳から15歳のユーザーがアカウントを作成すると、そのアカウントは自動的に「非公開アカウント」に設定されます。これにより、自分が承認したフォロワーしか自分の投稿動画を見ることができません。また、自分の動画を他人がダウンロードすることも禁止されます。
ネットトラブルのきっかけとして最も多いのが、見知らぬ相手とのDMのやり取りです。このリスクを根源から断つため、16歳になるまでDM機能は一切利用できません。これは非常に重要な安全措置です。
リアルタイムで不特定多数と繋がることができるLIVE配信は、16歳になるまで配信者になることはできません。視聴は可能ですが、コメント機能なども一部制限されます。
自分の投稿動画にコメントできるユーザーの範囲を、「誰でも」に設定することができません。「フォロワー」または「オフ(誰からもコメントを受け付けない)」のいずれかを選択する必要があり、意図しない相手からの誹謗中傷などを防ぐ仕組みになっています。
16歳になると、コミュニケーションに関する主要な機能が解放されます。しかし、金銭が絡む機能については引き続き厳しい制限が課せられます。
16歳の誕生日を迎えると、DM機能が利用できるようになります。ただし、初期設定では「受信しない」設定になっている場合が多く、自ら設定を変更する必要があります。このタイミングで、親子で改めて「知らない人とDMをやりとりするリスク」について話し合うことが極めて重要です。
同じく16歳から、自分でLIVE配信を行うことが可能になります。クリエイターとしての活動の幅が広がる一方で、リアルタイムでの発信にはリスクも伴います。配信内容や視聴者との関わり方について、家庭内でのルール作りが求められます。
16歳、17歳のユーザーは、LIVE配信はできても、視聴者からギフト(投げ銭)機能は、引き続き利用が制限されています。
18歳になると、TikTokのほぼ全ての機能が利用可能になります。ただし、唯一の例外が「ギフトの購入」です。
【事務所代表としての補足|島袋 諒平】
ここは少し複雑なので補足します。日本の法律では2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられました。しかし、TikTokのプラットフォームでは、依然としてギフト(バーチャルアイテム)の購入は20歳以上に制限されています。これは、高額な課金などの金銭トラブルから若者を保護するための、TikTok独自の自主的な規制です。ライバーとしてギフトを受け取ること(収益化)は18歳から可能ですが、自分が誰かにギフトを贈る(課金する)のは20歳から、と覚えておいてください。
「ルールは分かったけれど、なぜそこまで厳しくする必要があるの?」という根本的な疑問を持つことは、非常な健全なことです。その理由を親子で共有することが、お子様のネットリテラシーを高めることに繋がります。
匿名性の高いインターネット空間では、残念ながら誹謗中傷やネットいじめが後を絶ちません。また、子供たちが性的な搾取のターゲットにされるリスクも存在します。DM機能やコメント範囲を厳しく制限することは、こうした悪意あるユーザーから子供たちを物理的に隔離するための「防波堤」なのです。
子供たちは、悪意のない投稿から個人情報が特定される危険性を十分に認識できていない場合があります。例えば、制服や近所の風景が映った動画から、学校や自宅が特定されてしまうケースです。アカウントを非公開にしたり、DM機能を制限したりすることで、こうした意図しない個人情報の漏洩リスクを最小限に抑えています。
過度な「いいね」の数への執着や、他者との比較による自己肯定感の低下は、SNSが抱える大きな課題の一つです。特に、心身ともに発達途上にある若年層への影響は計り知れません。TikTokは利用時間制限機能などを設けることで、健全なデジタルウェルビーイングを推進しようとしています。
【元1億円ライバー・島袋の経験談】
私自身、トップライバーとして活動する中で、数え切れないほどの心無いコメントやDMに遭遇しました。正直なところ、大人である私でさえ精神的に堪えることがあるのが、SNSの世界の厳しい現実です。
だからこそ断言できます。特に若いユーザーを守るためのDM制限やコメントフィルターは、彼らが心折れずに夢を追い続けるために必要不可欠なセーフティーネットなのです。事務所として多くのライバーを育成する中でも、このメンタルケアの部分には最も時間を割いています。この機能の重要性だけは、どうか保護者の皆様にご理解いただきたいと切に願います。
ここからが本題です。お子様にTikTokの利用を許可すると決めた場合、保護者の方が必ず設定すべき機能、それが「ペアレンタルコントロール(ファミリーペアリング)」です。
この機能を使えば、保護者の方のスマートフォンから、お子様のアカウントの利用時間や閲覧コンテンツなどを遠隔で管理できます。いわば、保護者のための「見守りツール」です。
具体的にどのような管理ができるのか、まずは全体像を把握しましょう。
ファミリーペアリング設定項目一覧
設定項目 | 具体的な管理内容 |
視聴時間 | 1日の合計利用時間を40分〜120分の範囲で設定可能。 |
コンテンツ制限 | 「セーフモード」をオンにすることで、不適切な可能性のある動画がフィルタリングされ、表示されにくくなる。 |
検索 | お子様のアカウントで、動画、ハッシュタグ、ユーザーなどを検索する機能を制限(オフに)できる。 |
プライバシー設定 | アカウントの公開/非公開の切り替えや、コメント範囲、DMの送受信などを保護者が管理できる。 |
「いいね」した動画 | お子様が「いいね」した動画の一覧を、誰に公開するかを設定できる。 |
設定方法は決して難しくありません。スマートフォンの画面を見ながら、5分もあれば完了します。
まず、保護者の方ご自身のTikTokアカウントが必要です。まだお持ちでない場合は、アプリをダウンロードしてアカウントを作成してください。
Image here|TikTokのアプリダウンロード画面のスクリーンショット
親子両方のスマートフォンでTikTokアプリを開き、画面右下の「プロフィール」をタップ。次に、画面右上の三本線メニューをタップし、「設定とプライバシー」を選択します。
「設定とプライバシー」メニューの中にある「ファミリーペアリング」をタップします。保護者の方のスマホでは「保護者」、お子様のスマホでは「未成年者」を選択してください。
保護者の方のスマホで「続ける」をタップすると、カメラが起動します。同時にお子様のスマホ画面に表示されているQRコードを、そのカメラで読み取ってください。
連携が完了すると、保護者の方のスマホに管理画面が表示されます。ここで、先ほど一覧でご紹介した各項目を自由に設定できます。
【事務所代表・島袋が見る、多くの親子が見落とすポイント】
「利用時間」の設定はもちろん重要ですが、私が事務所で多くの親子と面談してきた中で、最もトラブルに繋がりやすいと感じるのは「検索」と「ダイレクトメッセージ」の機能です。
まずはこの3つから設定してみてください。これだけでも、お子様が直面するリスクを大幅に軽減できるはずです。
ここでは、保護者の皆様から特によくいただく質問や、実際に起こりがちなトラブルについて、Q&A形式で明確にお答えします。
A.いいえ、一度設定した生年月日の変更は、原則として一切できません。
これは、年齢制限を厳格に運用するためのTikTok側の仕様です。もし間違った生年月日で登録してしまった場合は、そのアカウントを一度削除し、正しい生年月日で新しいアカウントを作り直す以外の方法はありません。
A.アカウントが即時停止、または永久に削除されます。
TikTokはAIによる監視や他ユーザーからの通報により、年齢を偽っている疑いのあるアカウントを常にチェックしています。疑いがかかると、年齢を証明するための公的な本人確認書類(パスポートやマイナンバーカードなど)の提出を求められます。ここで証明ができなければ、アカウントはロックされ、最悪の場合、全ての投稿やフォロワーもろとも削除されてしまいます。
【島袋の体験談|ルール違反の悲しい末路】
これは、私が実際に事務所の面談で出会った子の話です。その子は、本当は15歳なのに18歳と偽って活動を始め、持ち前の才能ですぐに数万人のフォロワーを獲得しました。しかし、ある日突然、年齢詐称の通報によってアカウントが永久凍結されたのです。彼が何ヶ月もかけて積み上げてきた努力と、ファンとの絆は、一瞬にして全てゼロになりました。
「バレなければいい」という軽い気持ちが、取り返しのつかない結果を招くのです。このリスクの大きさだけは、どうか親子でしっかりと話し合ってください。
A.断言します。安全な抜け道は一切ありません。
インターネット上で時折、「親のアカウントを使えばいい」といった情報を見かけることがありますが、それはTikTokの利用規約に明確に違反する行為です。万が一トラブルに巻き込まれた際に、規約違反を理由にTikTokからのサポートを一切受けられない可能性があります。お子様の安全を本当に願うのであれば、ルールを守ることが、結果的に最大の安全対策となります。
ここまで、TikTokの年齢制限に関するルール、保護者の方がやるべき具体的な設定、そしてよくある疑問について、私の知る全ての情報をお伝えしてきました。最後に、お子様が安全に、そして楽しくTikTokを活用していくために、親子で交わしてほしい「3つの約束」を提案します。
保護者のための最終チェックリスト
✅ TikTokの年齢制限ルール(特に13歳未満禁止)を親子で共有しましたか?
✅ 親のスマホから管理できる「ファミリーペアリング」を設定しましたか?
✅ 「知らない人とDMしない」「個人情報を投稿しない」など家庭内ルールを決めましたか?
【著者からの最後のメッセージ】
TikTokは、正しく使えば、お子様の表現力や創造性を無限に引き出す、素晴らしい可能性を秘めたツールです。私の事務所にも、TikTokがきっかけで人生を変え、大きな夢を掴んだ若者が大勢います。
しかし、その輝かしい舞台は、「安全」という名の頑丈な土台があって初めて成り立ちます。
この記事を読み終えた今、どうかスマートフォンを置いて、お子様と向き合う時間を作ってください。そして、この記事で得た知識を基に、「我が家のTikTokルール」について話し合ってみてください。
それが、未来のトップクリエイターかもしれない大切なお子様を、危険から守り、その才能を健やかに育てるための、最も重要で、最も価値のある第一歩となるはずです。
より詳しい公式情報や、お子様の才能を伸ばすヒントについては、以下のリンクも参考にしてください。
【公式サイト】 TikTok公式 安全センター 保護者向けガイド – まずは公式の一次情報に目を通すことをお勧めします。