- ライバーの教科書 -
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2025.9.5
知識・ノウハウTikTokは楽しい。でも、軽い気持ちで使っていると、あなたの人生を狂わせる危険がすぐそばにあります。 アカウント乗っ取りや炎上は他人事ではありません。投げ銭総額1億円の元トップライバーとして天国も地獄も見てきた私、島袋が、あなたの未来を守るための自己防衛策を本気で伝えます。
この記事を最後まで読めば、以下の3つが明確にわかります。
「自分は大丈夫」「見るだけだから関係ない」そう思っていませんか?その考えが、最も危険です。TikTokに潜むリスクは、あなたが思っているよりもずっと身近で、一度起きてしまえば取り返しがつかないものばかり。なぜ、私がここまで強く警告するのか。その構造的な理由からお話しします。
まず理解してほしいのは、あなたがTikTok上で行うすべての活動は、「デジタルタトゥー」として半永久的にインターネット上に刻まれるということです。
若気の至りで投稿した悪ふざけの動画。友達との内輪ノリの過激な発言。今は「ウケる」で済むかもしれません。しかし、5年後、10年後、あなたが就職活動をする時、あるいは社会的な立場を得た時に、その動画が掘り起こされたらどうなるでしょうか?
採用担当者が応募者のSNSをチェックするのは、今や当たり前の時代です。たった1本の動画が原因で、あなたの人格が誤解され、夢見ていた企業への道が閉ざされる。そんな悲劇は、現実に起きているのです。
さらに恐ろしいのは、あなたが投稿した動画だけでなく、「いいね」やコメントといった行動履歴もまた、あなた自身を形作る情報として見られているという事実です。
差別的な動画への「いいね」、攻撃的なユーザーへの賛同コメント。これらはすべて、あなたの思想や価値観を示す証拠として残り続けます。軽い気持ちで押した「いいね」1つが、あなたの評価を決定的に下げてしまうリスクを、常に意識してください。
デジタル世界だけの話ではありません。TikTokの投稿は、いとも簡単にあなたやあなたの大切な人を現実世界(リアル)の危険に直結させます。
「背景なんて誰も見ていないだろう」という油断が、取り返しのつかない事態を招きます。実際に、毎日同じ時間に投稿される動画の窓の外の景色、特徴的な建物、電車の音などから投稿者の自宅住所が特定され、ストーカー被害に発展したケースは後を絶ちません。
個人情報を守る意識が低い投稿は、悪意のある人間にとって、あなたのプライバシーへの扉を開けているようなものなのです。
動画にほんの一瞬でも制服や校章が映り込めば、あなたの通う学校はすぐに特定されます。アルバイト先のロゴが入った備品も同様です。
「顔出ししてないから大丈夫」ではありません。こうした周辺情報から個人情報が流出し、あなただけでなく、あなたの友人や家族、学校、アルバイト先にまで迷惑がかかる可能性があることを、絶対に忘れないでください。
【トラウム代表・島袋からの本気のメッセージ】
私が長年、多くのライバー志望者と面談してきて断言できるのは、トップライバーでさえ、アンチコメントや過度な承認欲求との戦いで心を病むことがある、ということです。
TikTokの優れたレコメンドアルゴリズムは、あなたを夢中にさせる一方で、依存させ、他人の評価に一喜一憂させる麻薬のような側面も持っています。バズった時の高揚感、再生数が伸びない時の絶望感。このジェットコースターのような感情の波に乗り続けることは、あなたが思う以上に精神を消耗させます。
この構造を理解し、プラットフォームに「使われる」のではなく「使いこなす」という強い意志を持つこと。それが、自分を守るための第一歩です。
では、具体的にどのような危険が潜んでいるのか。ニュースで語られるような一般的な話ではありません。私自身が経験し、多くのライバーが直面してきた、リアルな7つの危険について解説します。
最も直接的で、被害の大きいリスクがアカウントの乗っ取りです。手口は年々巧妙化しており、誰もが被害者になる可能性があります。
「あなたの才能に惚れ込みました。ぜひうちの事務所に所属しませんか?」
こんな甘い言葉のDMが届いたら、まず詐欺を疑ってください。彼らは巧みに偽のログインページに誘導し、あなたのIDとパスワードを盗み取ろうとします。一度乗っ取られれば、あなたが必死に育てたアカウントは一瞬で他人のものになります。
問題はそれだけではありません。乗っ取られたあなたのアカウントは、あなたの友人やフォロワーに対して「お金を貸してほしい」「このサイトに登録してほしい」といった詐欺メッセージを送るための踏み台にされます。
あなたが加害者になってしまう。これがアカウント乗っ取りの最も恐ろしい二次被害です。
【元1億円ライバー・島袋の体験談】
私自身、トップライバー時代は「死ね」「消えろ」といったDMや**コメント**を日常的に受け取りました。殺害予告に近いものもありました。正直、心が折れそうになったことは一度や二度ではありません。
顔も名前も知らない相手からの純粋な悪意が、どれだけ心を抉るか。これは経験した者にしかわからない痛みです。しかし、私はその経験を通して、アンチへの具体的な対処法と、心を強く保つための思考法を確立しました。
覚えておいてください。誹謗中傷の数と、あなたの影響力の大きさは比例します。問題は、その悪意にどう向き合うか。私の経験上、最善の対策は「毅然と無視し、応援してくれるファンを徹底的に大切にすること」です。Traumでは、こうしたメンタルケアについても、私の実体験を基にサポートしています。
一度炎上すれば、その火消しはほぼ不可能です。あなたの不適切な動画や発言は、瞬く間にコピーされ、あらゆるプラットフォームに拡散されます。
例えば、アルバイト先の不衛生な環境を正義感から告発したとします。その行為自体は正しくても、やり方を間違えれば、あなたは「内部告発者」ではなく「バイトテロリスト」として社会から糾弾され、多額の損害賠償を請求される可能性があります。
ネット上の正義は、時として現実世界の法や倫理を無視して暴走します。その矛先が、いつ自分に向くかわからないのです。
最も重要なのは、一度ネットに上がった動画は、あなたが削除しても決して消えないという事実です。「デジタルタトゥー」として、あなたの名前を検索すればいつでも見られる状態で、未来永劫残り続けます。そのたった1本の動画が、あなたの人生にどれだけ長い影を落とすか、想像してみてください。
前述の通り、動画内の些細な情報から個人が特定され、ストーキングなどの現実の犯罪に巻き込まれるトラブルが多発しています。特に顔出しで活動しているユーザーは、常にこのリスクと隣り合わせです。
特に若いユーザーが標的になりやすいのが、性的な搾取を目的とした接近です。「君の夢を応援したい」「モデルにならないか」といった甘い言葉で近づき、巧みにプライベートな写真や情報を要求する。これは「グルーミング」と呼ばれる極めて悪質な手口です。
DMでのやり取りには常に警戒心を持ち、安易にLINEなどのプライベートな連絡先を交換しない。これは鉄則です。
一度バズを経験すると、その快感が忘れられず、「もっとウケたい」「もっと目立ちたい」という承認欲求がエスカレートしがちです。その結果、再生数を稼ぐために、より過激で、より非常識な行動に走ってしまう。
これは、あなた自身のクリエイティビティを蝕むだけでなく、前述した「炎上」のリスクを飛躍的に高める危険な兆候です。
最後の危険性は、TikTokそのものへの依存です。気づけば何時間も動画をスワイプし続け、やるべきことが何も手につかない。そんな経験はありませんか?
時間は有限です。トップを目指す人間にとって、時間は最も貴重な資産です。その資産を、無自覚のうちにTikTokに奪われ続けることは、あなたの可能性そのものを潰しているのと同じことだと自覚してください。
ここまで読んで、「怖い」と思ったかもしれません。しかし、安心してください。これから紹介する設定を行うだけで、これらのリスクのほとんどは劇的に軽減できます。
【事務所代表としての補足|島袋 諒平】
「面倒くさい」と思ったあなた、その油断が命取りです。トップを目指すなら尚更、自分のアカウント管理はプロとしての最低条件。今から教える5つの設定は、あなたのクリエイター生命を守るための保険です。この記事を読みながら、今すぐ、その場で設定してください。
これだけは絶対に設定してください。2段階認証は、パスワードが万が一漏洩しても、あなたのスマホに送られる確認コードがなければログインできなくする、最強の防御策です。これにより、アカウント乗っ取りのリスクを99%以上防ぐことができます。
本格的にクリエイターを目指すのでなければ、アカウントは非公開(プライベートアカウント)にすることを強く推奨します。これにより、あなたの投稿は承認したフォロワーしか見ることができなくなり、不特定多数からの攻撃や個人情報特定のリスクを大幅に減らせます。
公開アカウントで活動する場合は、何をどこまで見せるのか、常に意識することが重要です。
公開アカウントと非公開アカウントのメリット・デメリット比較
公開アカウント | 非公開アカウント | |
メリット | ・多くの人に見てもらえる ・バズる可能性がある | ・身バレのリスクが低い ・誹謗中傷を受けにくい |
デメリット | ・炎上や個人特定のリスクが高い ・不特定多数からDMが来る | ・フォロワーが増えにくい ・影響力が限定される |
見知らぬアカウントからの攻撃的なDMやコメントは、あなたのメンタルを確実に削ります。プライバシー設定から、これらのアクションをできる人の範囲を「友達」や「誰にも許可しない」に制限しましょう。心の安全は、あなた自身で確保するものです。
あなたの動画が他人にダウンロードされ、悪意のある編集を加えられて再投稿されるケースがあります。これを防ぐために、動画のダウンロードや、他人によるリミックス・デュエット機能をオフに設定しておくことをお勧めします。
設定は一度やったら終わりではありません。「セキュリティ」の項目から「あなたのデバイス」を定期的にチェックし、見覚えのない場所や端末からのログインがないか確認する癖をつけましょう。異変にいち早く気づくことが、被害を最小限に食い止める鍵です。
さて、ここまで守りの話をしてきました。しかし、本当の意味でTikTokを使いこなすとは、リスクを恐れて何もしないことではありません。危険を完全に理解し、コントロールした上で、それをチャンスに変えることです。ここからは、トップを目指すあなたにだけ教える、一歩進んだ戦略です。
【トラウム代表・島袋の経験の棚卸し】
私が多くのライバーを育成する中で見抜いた、バズるのに炎上しない人と、すぐに炎上する人の「決定的な差」を教えます。
それは、投稿前に「もし自分がアンチだったら、この動画のどこを叩くか?」という視点を持てるかどうかです。
自分の投稿を、一度、最も意地の悪い視聴者の目線でセルフチェックするのです。「この表現は誤解を生まないか?」「誰かを不快にさせる要素はないか?」「揚げ足を取られる隙はないか?」この一手間をかけるだけで、炎上リスクは劇的に下がります。これは、トップクリエイターが皆、無意識にやっているリスク管理術です。
アンチコメントは、必ずしも無視するだけが正解ではありません。中には、あなたのことをもっと知りたい、構ってほしいという歪んだ好意の現れであるケースもあります。
感情的に反論するのは最悪の対応です。そうではなく、的確な批判であれば真摯に受け止め、見当違いなものであればユーモアで切り返す。時には、そのコメントをネタにして1本の動画を作ってしまう。こうした高度な対応ができるようになると、アンチがあなたの熱烈なファンに変わることさえあるのです。
常にバズを狙い、数字を追い求め続けるのは疲弊します。大切なのは、TikTokと健全な距離を保つこと。
TikTokには、アプリの利用時間を自分で管理できる「スクリーンタイム」機能があります。1日の利用時間の上限を決め、休息時間を設定する。物理的にアプリから離れる時間を作ることで、冷静さを取り戻し、依存を防ぐことができます。
数字はあくまで結果であり、あなたの価値そのものではありません。「いいね」の数に一喜一憂するのではなく、自分が届けたいメッセージは何か、自分が表現したい世界観は何か、という原点に立ち返る。他人の評価ではなく、自分の軸で活動することが、長く楽しく続けるための秘訣です。
最後に、多くの人から寄せられる質問に、私の立場で本音で答えます。
A.結論から言うと、投稿するのに比べてリスクは格段に低いですが、「ゼロではない」というのが私の答えです。
動画を見ているだけでも、あなたの視聴履歴、視聴時間、興味のあるジャンル、位置情報といったデータはTikTokの運営側に収集・分析されています。これが直接的な危険に繋がる可能性は低いですが、自分のデータが常に誰かに見られているという意識は持っておくべきです。
A.まずは落ち着いて、TikTokのヘルプセンターから「アカウントの不正利用」を報告してください。登録したメールアドレスや電話番号が変更されていなければ、パスワードをリセットして取り返せる可能性があります。
万が一のために、普段からプロフィールや動画のスクリーンショットを撮っておくと、本人確認がスムーズに進むことがあります。
【事務所代表としての回答|島袋 諒平】
A.99%が詐欺か、あなたを食い物にしようとしている悪質な業者です。断言します。
私たちTraumのような真っ当な事務所が、いきなりDM1本で所属タレントという重要な契約の話をすることはありません。本物の事務所と詐欺を見抜く具体的なチェックポイントは以下の通りです。
少しでも怪しいと感じたら、絶対に返信しないでください。あなたの夢を利用しようとする輩から、自分自身を守ってください。
この記事で解説してきたように、TikTokには数多くの危険性が潜んでいます。しかし、それはあくまでツールの「側面」でしかありません。包丁が料理を作るための便利な道具にも、人を傷つける凶器にもなるのと同じです。
重要なのは、あなたが危険性を正しく理解し、適切な知識と設定で自分自身を守り、その上でこのツールを使いこなすことです。
最後に、あなたの未来を守るためのチェックリストを用意しました。ぜひ、定期的に見返してください。
今日から実践!自分の未来を守るためのTikTok安全利用チェックリスト
チェック項目 | 確認内容 | 頻度 |
アカウントセキュリティ | 2段階認証は設定したか? | 初回 |
プライバシー設定 | DMやコメントの範囲は適切か? | 月1回 |
投稿前のセルフチェック | 個人情報が特定できるモノが映っていないか? | 毎回 |
メンタルヘルス | 「いいね」の数に一喜一憂していないか? | 毎日 |
ログイン履歴 | 見覚えのないログインはないか? | 週1回 |
この記事を読んで「怖かった」で終わらせないでください。
危険を知り、対策を講じたあなたにとって、TikTokは自己表現とチャンスを掴むための最強の武器になります。
まずは5分。スマホを手に取り、Step1の「2段階認証」から始めてみてください。その小さな一歩が、あなたの未来を大きく守ります。