- ライバーの教科書 -
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2025.10.16
知識・ノウハウ「TikTok広告、何から手をつければいいか分からない…」
「トレンドの移り変わりが速すぎて、どんな動画が当たるのか見当もつかない」
「少ない広告予算で、なんとかして成果を出さないといけない」
もしあなたが今、こんな悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
はじめまして。投げ銭総額1億円超えの元トップライバーで、現在はTikTok LIVE専門ライバー事務所「Traum(トラウム)」を経営している島袋 諒平です。
多くの企業のマーケティング担当者やクリエイターが、TikTok広告の運用で結果を出せずに苦しんでいます。その最大の原因は、感覚や guesswork(当てずっぽう)でクリエイティブを作ってしまっていることにあります。
しかし、断言します。TikTok広告には、明確な「勝ち筋」が存在します。
その勝利への最短ルートを指し示してくれるのが、今回徹底解説する『TikTokクリエイティブセンター』です。
結論: TikTokクリエイティブセンターは、単なるトレンド調査ツールではありません。私、元トップライバー兼事務所代表の島袋が断言しますが、これは低予算でも勝てる広告クリエイティブの「正解」を導き出すための羅針盤です。本記事では、ツールの全機能の網羅的な解説から、多くのマーケターが見落とすデータの本質的な読み解き方、そして明日から実践できる具体的なアクションプランまで、私の全経験を基に徹底的に解説します。
この記事でわかること 3点
本格的な解説に入る前に、まずは「TikTokクリエイティブセンターとは何か?」という基本を固めておきましょう。遠回りに見えるかもしれませんが、このツールの本質的な役割を理解することが、後々の応用力に直結します。
TikTokクリエイティブセンター(TikTok Creative Center、以下TCC)は、TikTokが公式に提供している、プラットフォーム上のあらゆるトレンド情報や、過去に配信された広告クリエイティブの膨大なデータを、誰でも無料で分析できるツールです。
あなたがこれから作ろうとしている動画や広告が「当たる」確率を、飛躍的に高めるためのヒントが、このツールには詰まっています。
よく混同されがちなのが「TikTok広告マネージャ」です。この2つのツールの役割は明確に異なります。
クリエイティブセンターと広告マネージャの機能比較表
ツール名 | 主な役割 | フェーズ |
TikTokクリエイティブセンター | 戦略・企画立案 | 広告出稿前のリサーチ・分析・制作 |
TikTok広告マネージャ | 実行・配信・効果測定 | 広告出稿後の運用・管理 |
簡単に言えば、TCCは「戦う前の作戦会議室」、広告マネージャは「戦場での指揮命令室」です。多くの人が作戦も立てずに戦場に飛び込んで失敗しますが、我々はまずこの作戦会議室で徹底的に情報を集め、勝ち筋を見つけ出します。
結論から言うと、TCCのほぼ全ての主要機能は、アカウント登録やログインなしで、しかも完全に無料で利用できます。 これは使わない手はありません。
TikTok for Businessのアカウントでログインすると、気になった広告や楽曲などを保存しておける「コレクション機能」が使えるようになります。本格的にリサーチを行う際には、ログインして活用することをおすすめします。
繰り返しになりますが、これだけの高機能なツールが全て無料です。TikTokの本気度が伺えますね。
【事務所代表としての補足|島袋 諒平】
私が多くのクライアントにまずこのツールを触ってもらう理由。それは、広告出稿という「お金を使うフェーズ」の前に、限りなく無料で仮説検証ができるからです。
多くの企業が、いきなり広告費を投下して「テスト」と称した博打を打ってしまいます。しかし、TCCを使えば、血を流す前に、どの方向へ進むべきかの精度を極限まで高めることができる。このフェーズを疎かにする企業があまりに多いのが実情です。
さて、ここからはTCCの具体的な機能を、私の事務所でクライアントにレクチャーするのと同じレベルで、網羅的に解説していきます。この記事をブックマークし、実際にTCCの画面を開きながら読み進めてみてください。
TikTokで成功するためには「トレンドに乗る」ことが極めて重要です。この機能は、そのための強力な武器となります。
今、どんなハッシュタグが伸びているのかをランキング形式で確認できます。重要なのは、ただ眺めるだけでなく、「自社の業界」でフィルターをかけて分析することです。
例えば、アパレルなら「#春夏コーデ」、飲食店なら「#飯テロ」など、関連性の高いハッシュタグの動向を定点観測することで、次の投稿企画のヒントが得られます。
TikTokは「音」が動画の生死を分けるプラットフォームです。ここでは、人気上昇中の楽曲や、商用利用可能な楽曲を探すことができます。
「人気急上昇」タブでトレンドを掴みつつ、広告で利用する際は必ず「商用」フィルターをかけた楽曲リストから選ぶようにしてください。これを怠ると、権利侵害のリスクがあります。
影響力のあるクリエイターを探せる機能です。広告キャンペーンでインフルエンサーを起用したい場合に、候補者リストを作成するのに役立ちます。フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率や過去のタイアップ実績も参考に、自社ブランドと親和性の高いクリエイターを見つけましょう。
一般ユーザーの投稿で、現在人気を集めている動画(バズっている動画)を閲覧できます。
ここで見るべきは、「なぜこの動画は伸びているのか?」という視点です。動画の構成、テンポ、テロップの入れ方、コメント欄の反応など、成功の裏側にある共通項を分析し、自社のクリエイティブに活かせる要素を抽出します。
【元トップライバーとしての経験|島袋 諒平】
私がライバーとして活動していた時、常に意識していたのは「なぜこの配信は盛り上がっているのか?」を言語化することでした。それは動画制作でも全く同じです。
トレンド動画を100本見て、その共通点をノートに書き出してみてください。「冒頭2秒でインパクトを与えている」「質問を投げかけてコメントを誘発している」など、必ず3つ以上の成功法則が見つかるはずです。この地道な分析が、あなたのクリエイティブの精度を劇的に向上させます。
この「トップ広告」機能こそ、TCCの心臓部であり、あなたの広告成果を左右する最も重要な機能です。ここでは、過去に配信された無数の広告の中から、特にパフォーマンスの高かったものを検索・分析できます。
まずは、自社と同じ、あるいは類似する業界の広告に絞ってリサーチを始めましょう。
例えば、あなたがアパレルECの担当者(佐藤さん)なら、
各広告には、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)、エンゲージメント数などのパフォーマンスデータが表示されます。これらの数値が高い広告は、確かにユーザーの興味を引くことに成功しています。
しかし、これらの表面的な数値を鵜呑みにするのは危険です。
【トラウム代表・島袋からの本気のメッセージ】
多くの人はCTRやいいね数しか見ませんが、それは罠です。なぜなら、その数字は広告予算やターゲティング精度にも大きく左右されるからです。
あなたが本当に見るべきは、数字の裏にある「クリエイティブの構造」です。なぜクリックされたのか?なぜコンバージョンに至ったのか?動画の冒頭、中間、最後にどんな仕掛けがあるのか?そのインサイトこそが、あなたの資産となる「生きた情報」です。
優れた広告を見つけたら、徹底的に分解・分析します。私が実際に使っている分析フレームワークをご紹介しましょう。
トップ広告分析シート(テンプレート提供)
分析項目 | 具体的なチェックポイント |
冒頭の掴み(0-2秒) | どんな映像・テキストでスクロールする指を止めているか? |
本題(3-10秒) | 商品・サービスのベネフィットをどう伝えているか?(機能ではなく便益) |
展開・証明(11-20秒) | 利用者の声、ビフォーアフター、権威性など、信頼を高める要素は何か? |
CTA(最後) | どんな言葉と映像で、ユーザーに行動を促しているか?(例:「詳しくはこちら」) |
サウンド | BGMの選曲は?ナレーションのトーンは? |
テキスト・テロップ | フォント、色、表示タイミング、内容は? |
コメント欄の反応 | ユーザーはどんな点に好意的/批判的な反応を示しているか? |
このシートを使って最低でも10本の成功事例を分析すれば、自社の広告で試すべき「勝ち筋」の仮説がいくつも見つかるはずです。
TCCには、分析機能だけでなく、クリエイティブ制作をサポートするツールも用意されています。特に動画編集の経験が少ない方にとっては、非常に心強い味方となるでしょう。
さて、ここまでTCCの各機能を網羅的に解説してきました。しかし、ツールはあくまでツールです。重要なのは、それをどう使いこなし、実際のビジネス成果(売上アップ)に繋げるかという戦略的視点です。
ここからは、私がクライアントのコンサルティングで実践している、TCCを活用した具体的な3ステップ戦略を特別に公開します。
最初のステップは、徹底的なリサーチです。しかし、ただ闇雲に情報を見るのではありません。
多くの人は、自社の競合他社の広告ばかりを参考にしようとします。もちろんそれも重要ですが、それでは同質化競争に巻き込まれるだけです。
ブレークスルーを生むヒントは、全くの異業種に隠されています。
【島袋の体験談|Traumでの成功事例】
私が育成したアパレルECのクライアントは、当初ファッション業界の広告ばかりを参考にしていました。しかし成果は伸び悩み。そこで私は「グルメ系の動画広告を10本分析してください」という課題を出しました。
なぜなら、グルメ系動画は「シズル感」「テンポの良さ」「短い時間で魅力を伝える構成力」が非常に優れているからです。
結果、そのクライアントはグルメ系動画のテンポの良いカット割りと食欲をそそるようなテロップ術を、自社の洋服の見せ方に応用。全く新しい表現の広告クリエイティブが生まれ、CVRが200%改善した事例があります。この「ズラし」の発想が、競合から頭一つ抜け出すための鍵です。
トレンドは追うものではなく、予測して先回りするものです。
トレンド発見機能で「人気急上昇」のハッシュタグや楽曲をチェックし、「なぜこれが伸び始めているのか?」という背景を考えてみてください。その背景にある人々の心理や欲求と、自社の商品・サービスを結びつけることができれば、大きな波に乗ることが可能です。
リサーチで得た情報(インサイト)を基に、具体的な広告クリエイティブの企画を立てていきます。
TikTokでは、最初の1〜2秒でユーザーの心を掴めなければ、即スワイプされて終わりです。リサーチしたトップ広告の中から、「これは指が止まる!」と感じた冒頭シーンを最低でも5パターン書き出し、その共通項や応用できそうなポイントを考えます。
動画のコンセプトに合わせて、オーディオライブラリからBGMの候補を3曲ほど選びます。そして、それぞれのBGMに合わせて、動画のメインとなるキャッチコピーやテロップの文言を考えてみてください。音と言葉の組み合わせで、動画の印象は劇的に変わります。
本番用の動画を1本だけ作るというのは、最もやってはいけないことです。
クリエイティブツールキットのテンプレートなどを活用し、
最後は、企画を実際の動画に落とし込む制作フェーズです。ここで、ツールだけではカバーできない領域が重要になってきます。
テンプレートは便利ですが、そのまま使うと没個性的な動画になりがちです。
テロップのフォントを自社ブランドのものに変える、動画の最後にスタッフの笑顔のシーンを入れるなど、「人間味」や「オリジナリティ」を感じさせる一工夫を加えるだけで、ユーザーの反応は大きく変わります。
エンゲージメントの高い広告は、アルゴリズムにも評価され、より多くの人に届きます。
動画の最後に「皆さんはどっち派?コメントで教えて!」と問いかけたり、動画内にあえてツッコミどころのある小ネタを仕込んだりするなど、ユーザーが参加したくなる「余白」を意図的に作るのが、コメントを増やすコツです。
【トラウム代表・島袋からの本気のメッセージ】
これが今日、私がお伝えしたい最も本質的なことです。
どんなに優れた分析ツールを使い、完璧な構成の動画を作っても、最終的に人の心を動かすのは、画面の向こうから伝わってくる「熱」です。
商品を本気で届けたいと願う演者の目、声のトーン、自信に満ちた表情。それらが、AIには決して作れない決定的な差を生みます。ツールで徹底的に効率化し、人間は人間にしかできない「熱量を込めること」に集中する。これが、TikTok広告で勝ち続けるための、唯一無二の法則です。
ここでは、クライアントからよくいただく質問について、私の経験からQ&A形式でお答えします。
A.非常に良い質問ですね。結論から言うと、「過去30日〜90日以内」のデータを最優先で見るべきです。TikTokのトレンドの寿命は非常に短いため、半年前の成功事例は、もはや通用しない可能性が高いと考えてください。ただし、普遍的な人間の心理を突いたような、息の長いクリエイティブもありますので、期間を広げて分析し、その違いを見てみるのも面白いでしょう。
A.「そのまま真似する」のは絶対にNGです。それはただの模倣であり、あなたのブランドの価値を損ないます。重要なのは、トレンドの「要素を抽出」し、「自社流にアレンジ」することです。例えば、流行りの楽曲を使う場合でも、歌詞の内容を自社のサービスに結びつけて表現するなど、必ずオリジナリティを加えてください。
A.はい、全く問題ありません。むしろ、テレビCMのように作り込まれすぎた動画よりも、ツールキットで作ったような「手作り感」のある動画の方が、UGC(一般ユーザーの投稿)に馴染み、広告として警戒されにくいというメリットがあります。クオリティを追求するあまり、ユーザーとの距離感が生まれてしまっては本末転倒です。大切なのは、綺麗さよりも「伝わる」ことです。
A.まずはTCCを使い倒すことが最優先ですが、次のステップとしては、自社のTikTokアカウントのインサイト分析(プロアカウントで利用可能)が必須です。TCCが「市場全体のデータ」なら、アカウントのインサイトは「自社のファンのデータ」です。この両方のデータを突き合わせることで、より精度の高い戦略を立てることが可能になります。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、TikTok広告で成果を出すための羅針盤となる「TikTokクリエイティブセンター」について、その全機能から、私の実践的な戦略まで、持てる知識の全てをお伝えしました。
最後に、この記事の要点をチェックリストにまとめました。明日からのアクションの前に、ぜひ見返してください。
チェック項目 | 内容 |
基本の理解 | TCCは広告出稿前の「作戦会議室」であると理解したか? |
トレンド分析 | ハッシュタグや楽曲のトレンドを、自社業界に絞って分析できるか? |
トップ広告分析 | 表面的な数字だけでなく、クリエイティブの「構造」を分解して分析できるか? |
“ズラし”の発想 | 競合だけでなく、「異業種」の成功事例からヒントを得る視点を持ったか? |
ABテストの実践 | クリエイティブは必ず最低3パターン用意し、テストする意識があるか? |
熱量の重要性 | 最後の決め手は、ツールでは作れない「人間味」や「熱量」だと理解したか? |
情報を取り入れるだけで終わらせては、何も変わりません。この記事を読んだあなたの熱量が高まっているうちに、具体的な第一歩を踏み出しましょう。
【島袋からの最後のメッセージ】
A.ツールを使いこなすことは、ようやくスタートラインに立ったに過ぎません。本当の勝負は、そこから得たデータと、あなたのビジネスや商品に対する情熱を、どう結びつけるかにかかっています。
もし、あなたの会社の「本気の挑戦」を、戦略立案からクリエイティブ制作、そしてライバー育成まで一気通貫でサポートするパートナーが必要なら、一度私たちにご相談ください。
私が直接、あなたのビジネスの勝ち筋を一緒に考え、伴走することを約束します。
あなたの本気を、待っています。