- ライバーの教科書 -
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2025.10.21
知識・ノウハウ結論: TikTokの動画サイズは単なる技術仕様ではなく、視聴者の離脱を防ぎ、再生数を最大化するための最重要要素です。私、投げ銭総額1億円超えの元トップライバー兼事務所代表の島袋が、企業のSNS担当者や本気でプロを目指すクリエイター向けに、公式仕様から競合と差をつける応用テクニックまで、私の全経験を基に網羅的に解説します。
この記事を読めば、以下の3つが明確になります。
忙しいあなたの時間を無駄にはしません。まず結論からお伝えします。以下の表は、TikTokで動画を投稿する上で必要な全ての推奨サイズをまとめたものです。このページをブックマークし、動画制作や外注先への指示出しの際に、いつでも見返せるようにしてください。
TikTok推奨サイズ完全攻略チートシート
(最終更新日: 2025年10月19日)
項目 | 推奨ピクセル(解像度) | アスペクト比 | 最大ファイルサイズ | 動画の長さ | ファイル形式 |
フィード投稿動画 | 1080 x 1920px | 9:16 | Android: 72MB iOS: 287.6MB | 15秒〜10分 | .MP4 .MOV |
プロフィール画像 | 200 x 200px 以上 | 1:1 | – | – | – |
ストーリー動画 | 1080 x 1920px | 9:16 | 500MB | 最大15秒 | .MP4 .MOV |
インフィード広告 | 1080 x 1920px | 9:16 | 500MB | 5秒〜60秒 | .MP4 .MOV |
チートシートで全体像を掴んだところで、ここからは最も基本となるフィード投稿動画の各仕様について、「なぜその数値でなければならないのか?」という本質的な理由まで深掘りして解説します。この「なぜ」を理解することが、単なる作業者から脱却し、戦略的なクリエイターになるための第一歩です。
TikTokの動画アスペクト比(画面の縦横比率)は、「9:16」が絶対的な正解です。これ以外の選択肢は基本的に考えないでください。
理由は極めてシンプルです。TikTokはスマートフォンでの視聴が99%だからです。
視聴者の視界をあなたの動画でジャックすることで、コンテンツへの没入感を極限まで高め、他の情報に気を散らさせません。これが、視聴維持率を高める上で極めて重要なのです。
もし正方形(1:1)や、YouTubeのような横長(16:9)の動画を投稿すると、動画の上下に黒い帯(レターボックス)が表示されてしまいます。これは、スマホ画面の貴重なスペースを無駄にするだけでなく、一瞬で「素人感」が出てしまい、視聴者に無意識のストレスを与え、スワイプされる原因になります。
解像度、つまり動画のきめ細やかさは、「1080 x 1920ピクセル」を基準にしてください。これは「フルHD」とも呼ばれる品質です。
現在のほとんどのスマートフォンのディスプレイは、このフルHD解像度を美しく表示することに最適化されています。これより低い解像度では画質が荒く見え、逆にこれ以上に高くしても、スマホ画面で見る限りその差はほとんど体感できません。むしろ、データ容量が無駄に増えるなどのデメリットの方が大きくなります。
【トラウム代表・島袋からの本気のメッセージ】
私自身、動画一本の画質には徹底的にこだわりました。なぜなら、画質の乱れは視聴者の無意識のストレスになり、0.1秒で離脱に繋がるからです。最高のコンテンツは、最高の器(フォーマット)に盛られてこそ届くんです。1080p は視聴体験を保証する最低ラインであり、プロとしての絶対条件だと心に刻んでください。
技術的な話が続きますが、ここは投稿エラーを防ぐために重要なポイントです。
TikTokが公式にサポートしている動画のファイル形式は、主に「.MP4」と「.MOV」です。現在、ほとんどの動画編集ソフトやスマートフォンは、標準でこれらの形式での書き出しに対応していますので、迷ったら「.MP4」を選んでおけば間違いありません。
アップロードできる動画のファイルサイズには上限があり、使用しているデバイスによって異なります。
特にAndroidユーザーは上限が厳しい点に注意が必要です。動画が長くなればなるほどファイルサイズは大きくなるため、編集後の書き出しの段階で、必ずこの上限を下回っているか確認する癖をつけましょう。
万が一ファイルサイズが上限を超えてしまった場合、動画の品質を極力落とさずにファイルサイズを小さくする(圧縮する)必要があります。オンラインで使える無料ツールもありますが、画質劣化のリスクを考えると、専門の動画編集ソフト(Adobe Premiere Proなど)の書き出し設定で「ビットレート」を調整する方法が最も確実です。
現在のTikTokでは、最短15秒から最長10分までの動画を投稿できます。
TikTokのアルゴリズムが最も重視する指標の一つが「視聴維持率」です。つまり、動画が長ければ長いほど、視聴者を最後まで惹きつけ続ける難易度は上がります。「長い動画の方が評価される」という単純な話ではありません。あなたの伝えたい内容と、ターゲットが求める情報量に合った最適な長さを、テストを繰り返しながら見つけていくことが重要です。
フィード投稿動画をマスターしたら、次はアカウント全体の印象を決定づける要素や、ビジネスを加速させる広告についても理解を深めましょう。細部へのこだわりが、プロフェッショナルなアカウントの証です。
プロフィール画像は、アカウントの「顔」です。推奨サイズは「200 x 200ピクセル」以上とされています。ただし、TikTok上では円形にトリミングされて表示されるため、以下の点に注意してください。
フィード投稿とは別に、24時間で消えるストーリー機能もエンゲージメントを高める上で有効です。仕様はフィード投稿とほぼ同じですが、長さが最大15秒と短くなっています。
ビジネスでTikTokを活用するなら、広告フォーマットの理解は必須です。ここでは主要な広告の動画仕様について解説します。
ユーザーの「おすすめ」フィードに自然な形で表示される、最も一般的な広告形式です。
アプリ起動時に全画面で表示される、最もインパクトの強い広告枠です。ブランドの認知度を短期間で一気に高めたい場合に有効です。仕様はインフィード広告に準じますが、最新の規定が変更されることもあるため、必ず公式情報を確認してください。
【事務所代表としての補足|島袋 諒平】
広告規定は、TikTokのプラットフォームアップデートに伴い、頻繁に更新されます。企業の貴重な予算を投じる広告で失敗は許されません。必ず出稿前には、以下の公式ヘルプセンターで最新の情報を確認する癖をつけてください。これは、SNS担当者としてのリスク管理の基本です。
引用元: TikTok for Business ヘルプセンター
ここからが本番です。仕様をただ守るだけでは「平均点」の動画しか作れません。再生数を伸ばし、競合と圧倒的な差をつけるための、プロだけが意識している3つのポイントを伝授します。
TikTokの再生画面には、プロフィールアイコン、いいね・コメントボタン、キャプションなどが常に表示されています。多くの初心者は、このUI(ユーザーインターフェース)要素を考慮せずに動画を制作してしまい、「重要な商品名がアイコンで隠れてしまった」「演者の顔にテキストが被ってしまった」という致命的なミスを犯しています。
これを防ぐために、「セーフゾーン」(UIに隠れない安全な領域)を常に意識して動画をデザインする必要があります。
【元トップライバー島袋の体験談】
なぜ多くのクリエイターが「とりあえず9:16」で満足してしまうのか。しかし、トップ層はUIで隠れる数ミリまで計算して視線誘導を行っています。この「神は細部に宿る」という意識が、最終的な再生数を分けるんです。事務所として動画を監修する際、このセーフゾーンを守れていない動画は、企画が良くてもスタートラインにすら立てていないと判断し、即修正を指示します。このテンプレートを使ってデザイナーに指示するだけで、あなたの動画のクオリティは格段に上がります。
企業のSNS担当者であれば、「一つの動画を各SNSで使い回したい」と考えるのは当然です。しかし、安易な転用は失敗の元です。特にInstagramリールとTikTokでは、UIの配置が微妙に異なるため、注意が必要です。
例えば、リールではUI要素が画面下部に集中していますが、TikTokでは右側にもボタン類が配置されています。リール用に最適化した動画をそのままTikTokに投稿すると、右側の重要な情報が見切れてしまう可能性があります。
動画を複数プラットフォームで活用(ワンソース・マルチユース)したいのであれば、編集段階で最もUI表示エリアが厳しいTikTokのセーフゾーンを基準にテロップや主要な被写体を配置してください。そうすれば、他のプラットフォームでも問題なく表示される、汎用性の高い動画を作ることができます。
「編集時はキレイだったのに、TikTokにアップしたらなぜか画質が荒れてしまった…」これは非常によくある悩みです。画質の劣化は、視聴者の即時離脱に繋がる致命的な問題です。以下のチェックリストを使って、原因を特定し、対策を講じてください。
画質劣化防止チェックリスト
項目 | 推奨ピクセル(解像度) | アスペクト比 | 最大ファイルサイズ | 動画の長さ | ファイル形式 |
フィード投稿動画 | 1080 x 1920px | 9:16 | Android: 72MB iOS: 287.6MB | 15秒〜10分 | .MP4 .MOV |
プロフィール画像 | 200 x 200px 以上 | 1:1 | – | – | – |
ストーリー動画 | 1080 x 1920px | 9:16 | 500MB | 最大15秒 | .MP4 .MOV |
インフィード広告 | 1080 x 1920px | 9:16 | 500MB | 5秒〜60秒 | .MP4 .MOV |
最後に、これまで多くのクリエイターから寄せられた、サイズに関する細かい質問にお答えします。
A.Adobe Premiere ProやFinal Cut ProなどのPCソフトを使う場合、以下の設定を基本としてください。
CapCutなどのスマホアプリでは、「解像度1080p」「フレームレート30」を選んで書き出せば問題ありません。
A.画面サイズや解像度が異なるため、厳密には見え方が多少変わります。特に、iPhone Pro Maxのような大型機種と、SEのような小型機種では表示される情報量に差が出ることがあります。だからこそ、前述した「セーフゾーン」の発想が重要になります。どんな機種でも主要な情報が見切れないように、余裕を持ったデザインを心がけてください。
A.最も信頼できる情報源は、TikTok公式のクリエイター向けポータルサイトや、TikTok for Businessのヘルプセンターです。仕様変更は、影響の大きなものであればアプリ内通知や公式アカウントからアナウンスされることもあります。私の運営する事務所でも、常に最新情報をキャッチアップし、所属ライバーに共有しています。
今回は、TikTokの動画サイズについて、基本的な仕様から再生数を伸ばすための実践的なテクニックまで、網羅的に解説しました。
【トラウム代表・島袋からの最終メッセージ】
事務所として多くの企業の動画を監修する際、最初に確認するのがこの技術仕様です。これが守れない動画は、どんなに企画が良くてもスタートラインにすら立てません。これはプロとしての最低限のマナーです。今日お伝えした内容を一つでも実践すれば、あなたの動画は確実に変わります。まずは、次の1本から「セーフゾーン」を意識してみてください。その小さなこだわりが、視聴者の心を掴む大きな一歩になるはずです。
最後に、この記事で学んだ重要ポイントをチェックリストとしてまとめました。あなたの次の動画制作に、必ず役立ててください。
本記事の要点チェックリスト
☑ アスペクト比は「9:16」、解像度は「1080 x 1920px」か?
☑ UIで隠れる「セーフゾーン」を意識してテキストや被写体を配置したか?
☑ 書き出し・データ転送・アプリ設定で画質が劣化する要因を排除したか?
☑ ファイルサイズが上限(Android: 72MB, iOS: 287.6MB)を超えていないか?
☑ プロフィール画像も最適なサイズで設定されているか?
TikTok運用に本気で取り組むあなたへ
この記事で解説した内容は、成功への第一歩に過ぎません。本当に再生数を伸ばし、ビジネスに繋げるためには、企画立案、撮影、編集、投稿後の分析・改善というサイクルを高いレベルで回し続ける必要があります。
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