- ライバーの教科書 -
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2025.11.17
知識・ノウハウ
突然の「コミュニティガイドライン違反」通知、本当に焦りますよね。時間と情熱をかけて作った動画が、理由もはっきりしないまま削除されてしまうのは、誰だって不安ですし、納得がいかないはずです。結論:の具体的な手順、そして二度と違反しないための予防策まで、あなたの不安が安心に変わる全知識を授けます。
この記事を最後まで読めば、あなたは以下の3つを手に入れることができます。
「何も悪いことなんてしていないのに、どうして?」——。その気持ち、痛いほどわかります。しかし、まずは冷静に、なぜあなたの動画が「違反」と判断されたのか、その仕組みと理由を理解することから始めましょう。
多くの場合、TikTokのコンテンツは24時間体制で稼働するAI(人工知能)によって監視されています。このAIが、あなたの動画やコメント、ライブ配信の内容を自動でチェックし、ガイドラインに抵触する可能性のあるものを検出しているのです。
【事務所代表として見るTikTokの現状|島袋 諒平】

私が事務所代表としてTikTokというプラットフォームを見ている中で感じるのは、彼らが今、「安全な場所」作りに非常に力を入れているということです。ユーザーが爆発的に増えたからこそ、未成年者を守り、誰もが不快な思いをしない健全な環境を維持する責任がある。だからこそ、ガイドラインの運用が以前より厳格になっているのです。この「TikTok側の事情」を理解しておくと、なぜ自分の動画が厳しく判断されたのか、そして異議申し立てでどう伝えるべきか、という戦略が立てやすくなりますよ。
TikTokでは、毎日膨大な数の動画が投稿されます。これら全てを人間がチェックするのは不可能です。そこで活躍するのが、AIによる自動モデレーションシステムです。このシステムは、映像、音声、テキスト(タイトル、概要欄、コメントなど)を自動でスキャンし、ガイドライン違反の可能性を検知します。
AIは非常に優秀ですが、完璧ではありません。特に、文化的な背景や文脈、冗談や皮肉といったニュアンスを完全に理解するのは苦手です。そのため、あなたに悪意が全くなくても、特定の動きや言葉、服装などが誤って「違反」と判定されてしまうケースは、残念ながら少なくありません。
AIの検知だけでなく、他のユーザーからの通報がきっかけで審査が入り、動画が削除されることもあります。アンチコメントの延長で通報されたり、意図せず誰かを不快にさせてしまったりと、原因は様々です。
では、具体的にどのようなコンテンツが違反と見なされるのでしょうか。TikTokのコミュニティガイドラインは多岐にわたりますが、特に初心者が陥りやすい11の項目をリストアップしました。自分の動画がどれかに当てはまっていないか、冷静に確認してみてください。
【島袋の見解: 著作権は本当に怖い】

多くのライバー、特に始めたばかりの子が軽視しがちなのがこの著作権です。特に音楽は、「みんな使ってるから大丈夫だろう」という安易な気持ちで、CDの音源や他のアプリの音源をそのまま使うと、一発で違反コンテンツと判定されるケースが本当に多い。私がトップライバー時代に徹底していたのは、必ずTikTok内の公式音源ライブラリからBGMを選ぶこと。これがアカウントを守るための鉄則です。
自分の動画が上記のいずれにも当てはまらない、あるいはAIの誤判定の可能性が高いと感じたなら、諦める必要は全くありません。TikTokには、削除されたコンテンツに対して「異議申し立て」を行う公式な仕組みが用意されています。
このセクションでは、誰でも迷わず実行できるよう、異議申し立ての全手順をステップバイステップで解説します。
【島袋の体験談: 実際に異議申し立てで動画を復活させた話】

これは私が代表を務める事務所「Traum」に所属する、あるライバーの話です。彼女は、自作のキャラクターを使ったほのぼのとした日常系の動画を投稿していたのですが、ある日突然、動画が「いじめとハラスメント」という理由で削除されてしまいました。当然、身に覚えは全くありません。
そこで私たちは、まず「どの部分がAIに誤解されたのか」を冷静に分析しました。おそらく、キャラクター同士の軽口が「暴言」と誤検知されたのだろうと仮説を立て、異議申し立ての際に「これはキャラクター同士の親しみを込めたやり取りであり、他者を攻撃する意図は全くありません」という点を、丁寧な言葉で具体的に説明しました。結果、約2日後に申し立てが承認され、無事に動画は復活しました。正しい知識を持って、論理的に伝えれば、道は開けるという好例です。
勢いで申し立てを行う前に、まずは以下の3つのポイントを確認してください。
感情的になっていると、見落としがあるかもしれません。もう一度、先ほどの11の項目と照らし合わせ、客観的に自分の動画を見直してみましょう。
動画が削除されてから異議申し立てができる期間には限りがあります(一般的には90日以内とされていますが、通知が来たらすぐに行動するのがベストです)。
アカウントの違反履歴は記録されています。繰り返しガイドライン違反を指摘されているアカウントからの申し立ては、残念ながら審査が厳しくなる傾向にあります。
準備ができたら、いよいよ申し立てに進みましょう。以下の手順に沿って進めれば、迷うことはありません。

異議申し立ての成否は、手順4の「理由」の書き方でほぼ決まると言っても過言ではありません。審査を行う担当者(またはAI)に、あなたの主張を的確に伝えるためのポイントと例文を紹介します。
「なんで消すんだ!」といった感情的な言葉は絶対にNGです。あくまでもビジネスライクに、「ご確認いただきありがとうございます」といった丁寧な言葉遣いを心がけ、なぜ違反ではないと考えるのかを論理的に説明しましょう。
「違反していません」とだけ書くのではなく、「ご指摘の『〇〇』という項目についてですが、私の動画は△△という意図で制作したものであり、ガイドラインで禁止されている□□には該当しないと考えております」というように、具体的な項目に言及すると説得力が増します。
例文1:AIの誤判定が疑われる場合
ご確認いただきありがとうございます。
本動画について「危険な行為」とのご指摘をいただきましたが、これは専門家の指導のもと、安全が確保された環境で撮影されたパフォーマンです。動画内でも安全に関する注意喚起を行っており、視聴者が安易に模倣することを推奨する意図はございません。
AIによる自動判定の可能性もございますので、お手数ですが、再度人の目でのご確認をお願いできますでしょうか。
例文2:性的コンテンツと誤解された場合
ご確認いただきありがとうございます。
本動画は、フィットネスの一環としてのダンスを披露したものであり、性的な意図は一切ございません。着用しているウェアも一般的なスポーツウェアであり、「成人ヌードと性的行為」に関するガイドラインには抵触しないものと考えております。
プラットフォームの健全性を尊重しておりますので、何卒ご理解いただけますと幸いです。
例文3:著作権侵害を指摘されたが、許可を得ている場合
ご確認いただきありがとうございます。
審査にかかる時間はケースバイケースですが、早い場合は数時間、通常は数日から1週間程度で結果が通知されることが多いようです。
審査が完了すると、再び「システム通知」に結果が届きます。申し立てが承認されれば動画は復活し、却下された場合はその旨が通知されます。
残念ながら、一度却下された申し立てを覆すのは非常に困難です。その場合は、潔く諦めて、なぜ却下されたのかを冷静に分析し、次の動画制作に活かすことが重要です。
異議申し立てで動画が無事に復活したとしても、何度も同じことを繰り返していては意味がありません。最も大切なのは、今後ガイドライン違反をしないことです。ここでは、あなたの大切なアカウントを長期的に守っていくための予防策と、動画作りの心構えをお伝えします。
【島袋の見解: 伸びるライバーは、守りも強い】

これは断言できますが、トップ層で長く活躍し続けているライバーは、例外なくアカウントを守る意識が非常に高いです。攻めの企画や面白い動画を作ることはもちろん重要ですが、それと同時に「どこまでが許されるのか」という境界線を正確に理解している。ファンをがっかりさせないため、そして何より自分の努力を無駄にしないためにも、ここで解説する予防策は必ず実践してください。守備を固めてこそ、安心して攻撃に専念できるのです。
「この表現、大丈夫かな?」と少しでも感じたら、必ず立ち止まって公式のコミュニティガイドラインを確認する癖をつけましょう。感覚で判断するのが一番危険です。
外部リンク|TikTokコミュニティガイドライン(日本語版)
先ほども触れましたが、音楽の著作権は非常に厳しいです。安全のため、BGMは必ずTikTokアプリ内で提供されている公式の音源ライブラリから選ぶように徹底しましょう。
バズを狙うあまり、少し過激なドッキリや、誤解されかねない表現を使ってしまうことがあります。一瞬の再生数のために、アカウント停止のリスクを冒すのは賢明ではありません。常に視聴者、特に子どもたちが見ても安全かという視点を持つことが大切です。
自分の動画だけでなく、コメント欄もあなたの管理範囲です。ヘイトスピーチや誹謗中傷のコメントを放置しておくと、動画全体の評価に影響する可能性もゼロではありません。不適切なコメントは定期的に削除・報告するなどの対応を心がけましょう。
設定画面から「アカウントステータス」を確認することで、過去の違反履歴をチェックできます。自分のアカウントがクリーンな状態にあるか、定期的に確認する習慣をつけましょう。
ガイドラインを守るのは大前提として、さらに一歩進んで、AIから「このクリエイターの動画は安全だ」と信頼されるためのテクニックも存在します。
AIは、動画内の言葉遣いや雰囲気を分析しています。暴言やネガティブな言葉を避け、明るく、前向きで、誰かを応援するようなポジティブなコミュニケーションを心がけることで、アカウント全体の評価が高まります。
教育、料理、ペット、Vlog、ハウツーなど、一般的に安全性が高いと認識されているジャンルで質の高い動画を投稿し続けると、AIからの信頼スコアが蓄積されやすくなります。
すでにTikTokから優良クリエイターとして認識されているアカウント(公式マークがついているアカウントなど)からエンゲージメントをもらうと、あなたのアカウントの信頼性も向上する可能性があります。
最後に、多くの方が抱くであろう、ガイドラインに関する細かい疑問について、Q&A形式でお答えします。
警告を無視して違反を繰り返すと、ペナルティは段階的に重くなります。最初は動画の削除だけですが、次はコメントやライブ配信が一定期間できなくなるなどの機能制限、さらに悪質な場合はアカウントの永久停止(永久BAN)という最も重い処分が下されます。一度永久停止になると、同じ端末や電話番号で新しいアカウントを作ることも困難になるため、絶対に軽視してはいけません。
はい、これらは異なる現象です。

【島袋の見解: LIVEは一発アウトのリスクが高い】
A.その通りです。動画コンテンツと違い、LIVEはリアルタイムで不特定多数に配信されるため、より厳格なガイドラインが適用されます。特に、飲酒・喫煙、未成年者の単独配信、危険な場所からの配信などは、たとえ短時間でも配信を強制終了させられ、重いペナルティが課される可能性があります。私が事務所のライバーに徹底させているのは、「LIVE中は、テレビの生放送に出演しているプロのタレントだと思え」ということです。そのくらいの緊張感が必要です。

【Traum代表・島袋の見解: 事務所の真価が問われる場面】
A.はい、本来であれば、こうしたトラブル対応こそがライバー事務所の真価が問われる場面です。経験豊富な事務所であれば、過去の事例に基づいた的確なアドバイスや、異議申し立て文面の作成サポートなどが期待できます。
しかし、残念ながら全ての事務所が十分な対応ができるわけではありません。だからこそ事務所選びは慎重になるべきです。還元率の高さといった目先の条件だけでなく、「万が一の時に、あなたのアカウントを本気で一緒に守ってくれる事務所か」という視点を忘れないでください。
今回は、TikTokのコミュニティガイドライン違反について、その原因から対処法、予防策までを網羅的に解説しました。
突然の違反通知は誰にとってもショックな出来事ですが、それはあなたのTikTok活動が間違っているという烙印ではありません。むしろ、プラットフォームのルールを正しく理解し、より多くのファンから愛され、信頼されるクリエイターへと成長するための重要な学びの機会と捉えることができます。
【島袋からの最後のメッセージ】

私がトップライバーとして、そして事務所代表として多くのクリエイターを見てきた中で確信しているのは、長く成功する人ほど、ルールを深く理解し、その上で自分の個性を最大限に発揮しているということです。ルールはあなたを縛るものではなく、あなたとあなたのファンを守るためのものです。
この記事で得た知識を武器に、萎縮することなく、あなたの素晴らしい表現活動を続けてください。一人で抱えきれない不安がある時は、いつでも専門家を頼ることを忘れないで。あなたの挑戦を、心から応援しています。
本記事の要点チェックリスト
☑ 違反だと判断される11の項目を理解したか?
☑ 異議申し立ての具体的な手順を把握したか?
☑ 承認されやすい理由の書き方と例文を学んだか?
☑ 今後違反しないための5つの習慣を身につける決意をしたか?
一人で悩んでいませんか?
突然のガイドライン違反通知への対応、今後のアカウント運営への不安——。
株式会社Traumでは、元トップライバーである代表の島袋が、あなたの活動をマンツーマンで徹底的にサポートします。
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